「天疱瘡(てんぽうそう)」 松本重子 64歳

 

今から15年以上も前のことになりますが、不幸にして、爽やかな秋風の吹く頃、ポツンと一つ背中に水泡ができたのが始まりです。

 高槻市内の皮膚科の先生の診断を受けましたところ、たいした事がないので、この軟膏を塗る様にとの指示があり、1週間ほど塗りましたが治らず、以前よりも水疱が広がり、背中一面になったので、大阪市内の総合病院の皮膚科の診察を受けた。

 病院では、暫くして分厚い医学の本を私に見せて、「貴女は今すぐほかの病院にいく様にと、先生に電話連絡しておきますので、すぐに行って下さい。」と説明されました。

 新しい病院の先生のお話しでは、「こちらの病院では、学生の教材の為に進んで協力をしてほしい。今からすぐに、背中、胸、その他の写真をを撮らせてほしい。」旨の説明を受ける。撮影の間、私の心の中はもう大変です。どうなるのか、人に伝染するので隔離されるのではないのか心配で、写真撮影をされている事など忘れるくらいの心境でした。

 いろいろ検査が始まり、その結果、リンデロン薬を使用することになる。病院での説明では、「この薬を使用すれば、内臓はもとより、歯、及び身体全体に副作用が出ますので、内科も受診して下さい。」と指示があり、なるほど、副作用はいろいろ出てきました。リンデロンを副作用のある薬と知りつつ飲むつらさは、大変なものでした。

 私の場合は、背中、胸部、頭の表面に、水泡ができました。体が温かくなると痒くなり、この痒さは体中からの痒さで、それに痛さで、大変苦しみました。2、3日で水疱が治るのですが、又次の新しい水疱が出ます。リンデロンを飲み、軟膏を塗っても、なかなか治りません。目の中にできれば失明です。

 当時は、親族からも嫌な顔をされ、泣いて過ごした日も多くありました。発病して5年程したときに、松本医院が開業されました。

 

1.私が始めて松本先生に受診して頂いたのは、喘息です。喘息で苦しんでいました私に、先生は「必ず治してあげます。」と力づけて下さいました。現在、喘息は完治しました。

2.次に受診しましたのは、肝臓です。薬のリンデロンの副作用でしょうか、肝臓が悪かったのも、治してもらいました。現在は元気です。

3.恐る恐る、「先生、私テンポウソウなんですけれど、治りますか。」と伺った所、先生の答えは「治してあげるよ。心配しなくても、必ず治して上げますよ。」と、本当に力強い返事を下さいました。先生は、私の背中など一度も受診されることなく、患者との会話で、薬を出されます。漢方医の松本先生は、素晴らしい先生だと感じました。

 喘息も肝臓も治して下さったから、この百万人に一人位といわれるテンポウソウも、きっと完治して下さるだろうと思うと、急になんだか嬉しくなり、天にでものぼるような様な心境で、家路に着きました。今でもはっきりと、その日のことを覚えています。

 ここから松本先生の漢方薬での治療が始まり、現在15年もの長期に渡って続いています。漢方では体質改善し、病気を治し、病気に侵されない状態にして下さったので、難病といわれたテンポウソウも、今日では完治しています。

 46歳で発病し、現在は64歳になりました。今も漢方薬を愛用しています。

 私は漢方医学博士、松本仁幸先生にめぐりあえて、毎日を本当に感謝して暮らしております。先生、本当にありがとうございます。これからも先生よろしくお願い致します。

 

 

 

 

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